さじはなげられた
2024/11/22[Fri]
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2012/09/20[Thu]
出せなかったペーパー用ちよきち小ネタ冒頭(までしかかけなかったので没になったとも言う)
ちよきちもなつやすみ
早朝だというのに強い日射しが肌を焼く。ちりちりと音を立てて焦げ付きそうで、隣を歩く佐吉の少し持ち上がった帽子を深く被せてやった。
たぬきのキーホルダーを下げた小さなリュックを背負った佐吉は、一瞬きょとんとしたが言わんとしていることを察したのか、自分でも深く帽子を押し付けて満足気に三成の眼を見た。それに頷き、帽子の上から頭を撫でてやる。実にできた子供だ。
二人はそのまま駅へと向かう。着いた先には既に家康と竹千代の姿があった。待ち合わせまでまだ十五分以上あるというのに、まめな男である。
「さきち!」
「たけちよ」
きつねのキーホルダーを揺らしながら、こちらも小さなリュックを背負った竹千代が腕を振りながら佐吉のもとに駆け寄ってきた。竹千代を見つけ満面の笑みを湛えた佐吉も負けじと駆けだす。昨日も夕方まで会っていたというのに、まるで十年ぶりの再会のような二人を眺めつつもう一人の男の元へと向かう。
「おはよう三成」
「すまない、待たせたか」
「いや、ワシらが早く着きすぎただけだ」
ここで、今来たところだ、言わないところをみると三十分以上前には着いていたのだろう。苦笑いを浮かべる家康に、テンション高く竹千代が家を飛び出した姿が容易く想像できた。
「予定より早いが、電車に乗ってしまおうか」
佐吉と竹千代に声をかけて、改札を抜ける。タイミングよくホームに滑り込んだ車両に、家康は竹千代と三成は佐吉と、それぞれ手を繋いで乗り込んだ。
車窓の風景が流れ出せば、子供たちの歓声があがる。考えてみれば、こうして電車に乗り出掛けることなどそうなかった。
窓に張り付いて楽しそうに笑いあう二人を見ると、もっとこうして出掛けてやればよかったと思う。どうにも近所に住んでいて、楽しそうに毎日違う出来事を話す佐吉にそれでいいかと思いがちだが、こうして出掛けてみれば普段と違うことを求めているのは一目瞭然だ。
四人並んで電車に乗るのも悪くない。
はしゃぐ二人から視線を僅かにずらし、四人目に向けると、思いがけず視線が交差した。柔らかく笑いかける家康に、どこか面映ゆくて思わず体ごとそっぽを向く。
佐吉が不思議そうに見つめてくるので、誤魔化す様に鞄からタオルを取り出し、額に浮かんだ汗を拭ってやった。
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ここまで書いて力尽きました。
三成はわりと親バカ。
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